【簡潔版】フィロデンドロンの育て方|乾燥気味が◎
更新日 2025年6月25日
私は造園会社と花屋の家庭で育ち、小学生の頃から店番やレンタルリースのお手伝いをしていました。
私は園芸歴3年とまだまだ浅いですが、園芸歴40年以上になる親族とともに現在観葉植物専門店Big Smileを運営しております。
大阪市平野区にある店舗にビニールハウスを構え、数百種類を超える観葉植物を日々管理しています。
その中で経験したことや、その他著書などから学んだことを元に植物に関する記事を書いています。
まだまだ浅い知識ですが、もっと経験を積み皆様のお役に立てれば幸いです。
カラテアは熱帯地域特に中央アメリカ~南アメリカの熱帯林を中心に自生するサトイモ科の植物です。
フィロデンドロンの品種は非常に豊富で、その数は650を超えるのだとか。
葉姿は葉に切れ込みが入るものからハート型の葉に斑が入るものもあり、非常にバラエティーに富みます。
さらにフィロデンドロンはツル性に伸びる品種も多いことからハンギングで飾ることもできるのも魅力です。
この記事では、フィロデンドロンの特性を元に日当たりやお水の与え方など、育て方のポイントを解説し、またフィロデンドロンによく起こり得るトラブルとその対策についても紹介しています。
育てやすいフィロデンドロンですが、特性を知ることでより丈夫で冬越しにも失敗しない健康的な株に育てることができます。
フィロデンドロンに関する基本情報
学名 Philodenndron 英名 Philodenndron 原産地 南アメリカ 科目 / 属性 サトイモ科 / フィロデンドロン属 日当たり / 耐陰性 半木陰 / ★★★★★ 温度 / 耐寒性 10℃以上 / ★★☆☆☆ 水やり 乾燥気味 肥料 5~10月に液肥・緩効性肥料 害虫 ハダニ・カイガラムシ 増やし方 挿し木・株分け 育てやすさ ★★★★★
「フィロデンドロン」という名前には「木を好む」という意味があり、多くの種がツル性に伸び、木に絡まって成長するという特徴があります。
フィロデンドロンの中には背丈が大きくなるものもありますが、大半の品種が幼株でお家の中で育てるのに適しており、インテリアとしてもとても人気がある観葉植物です。
フィロデンドロンの花言葉は「華やかな美しさ・壮大な美」
「華やかな美しさ」というのはフィロデンドロンの中でも明るい印象のある、オキシカルジウムなどの光沢感のある葉姿の華やかな見た目に由来します。
またクッカバラのように太い幹から力強く伸びる切れ込みの入った大きな葉や気根をもつ印象から「壮大な美」という花言葉をもつ品種があります。
風水ではフィロデンドロンは仕事運・家族運を向上させる
風水においてはフィロデンドロンには「仕事運」や「家族運」を高める効果があります。
フィロデンドロンは多方面にツルを伸ばし成長していくので、その性質から多方面にひらめきがあり運気が向上するとされています。
そして木に絡まりつくという特徴からは縁結びの効果もあるとされています。
仕事運を上げたい方はデスクや書斎に、家族運を上げたい場合にはリビングにフィロデンドロンを置くとよいでしょう。
そして家族や恋人など、愛情を表現したい方にプレゼントするとより愛が深まるかもしれません。
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フィロデンドロンの代表的な品種

フィロデンドロンの品種は非常に豊富で、その数は650を超えるのだとか。
その中でも流通量が多く、観葉植物店などでもよく見かける品種を紹介します。
フィロデンドロン・セローム
セロームは切れ込みの入る大きな葉が特徴的で気根が出ているものはエキゾチックで独特の雰囲気が漂うフィロデンドロンです。太い幹には目玉のような模様があり、悪魔のように見えるとも言われていますが、葉の鮮やかな緑色は爽やかでフレッシュな雰囲気があります。
フィロデンドロン・バーキン
バーキンはセロームのように葉に切れ込みは入らず、丸く先がやや尖った葉で、新芽が白く成長とともに緑色に変化します。グリーンの葉に白いライン状の斑が入りとても上品なフィロデンドロンです。
少し前まではやや高値で売られていましたが、流通量が増えてきて低価で手に入るようにもなってきました。
フィロデンドロン・オキシカルジウム
オキシカルジウムは鮮やかなグリーンのツヤのあるハートの葉にイエローグリーンの斑が入る華やかなフィロデンドロンです。
中でもオキシカルジウム・クリームスプラッシュはグリーンとイエローグリーンとクリームが混ざりあい、葉のツヤ感も相まって非常にオシャレな品種です。
フィロデンドロンの育て方

フィロデンドロンは耐陰性に優れ、繁殖力も高いことから育てやすい植物です。
その一方でツル性に伸び、葉が密集するので蒸れやすいという特徴があります。
フィロデンドロンの特徴を踏まえて、健康かつ格好よく育てましょう。
フィロデンドロンの育て方|日光の入る部屋の日陰で健康に
直射日光のような強い光は苦手で、特に夏の日差しを直接浴びると葉焼けを起こしてしまうので直射日光の当たらない明るい日陰で育てるのが良いでしょう。
冬は日差しが弱いため日光が当たるガラス越しでも大丈夫ですが、日差しが強くなる春~秋はレースのカーテン越しに置くと良いです。
耐陰性に優れますが、長期間暗いところで管理していると日光不足で葉の発色が悪くなったり、樹形が崩れてしまったり、徒長の原因にもなります。
週に1度程度でも良いので明るい場所に移してあげると綺麗に育ちます。
フィロデンドロンの育て方|乾燥気味に管理
フィロデンドロンは蒸れに弱いので、乾燥気味に管理する方が安心です。
特に昨今の夏は厳しい暑さなので、土が濡れている時間が長いと高温で根が蒸されている状態になり、すぐに腐ってしまいます。
しっかり鉢土が乾燥したのを確認してから、与える際は鉢底から流れ出るくらいのたっぷりのお水を与えるようにしましょう。
加えて葉水は毎日でもしていただいて構いません。葉水を行うことで植物は元気に育ち、新芽を出しやすくなります。
冬も同様に、鉢土が乾いてから(白っぽくなってきたら)3日程度経過した後に、水やりしてください。
暖房下では乾燥しやすいので一日に数回、霧吹きで加湿してあげると気持ちよく伸びます。
冬場も乾燥気味に管理することで根腐れを防止し、さらに凍傷を防ぐこともできます。
フィロデンドロンの育て方|冬越しは10度以上をキープ
フィロデンドロンはあまり寒さには強くありません。最低でも10℃以上をキープし冬越ししましょう。
冬場は日照時間が短く日光不足になりやすいので窓際に置かれることがあるかと思います。その際には夜間~朝方にはなど際は屋外と同じくらい冷え込む場合があるので、日中のみに、夕方には部屋の中央部に移動させるなどの工夫をするとうまく冬越しができます。
フィロデンドロンの育て方|施肥は5~10月に
5〜10月までの間に与えるとよく成長します。
液肥であれば2週間に1度程度、固形肥料であれば2か月に1度の頻度で与えましょう。
暖かくなるころに植え替えを行う場合は、土の中に固形肥料を混ぜ込んでおくのもオススメです。
冬場は肥料を与えると生育が緩慢な時期なので吸収されず根が傷む原因になってしまうので施肥は行いません。
以前に土の中に混ぜ込んでいる緩効性肥料に関しては、栄養として吸収されるので問題ありません。
フィロデンドロンの育て方|樹形を整えるための剪定を
フィロデンドロンは肥料を与える時期と同じ5~10月に樹形を整えるための剪定を行います。
生育期であるこの時期には次々と新葉を出し、葉が密集するのでそのまま放っておくと、風通しが悪くなり病害虫の発生にも繋がります。また樹形も崩れ不格好になってしまいます。
正しい時期に剪定を行うことで格好よく元気な個体に成長します。
剪定の際には分岐しているすぐ上で切るとそこから新芽が出てくるので全体のバランスを見ながら切る場所を決めると良いでしょう。
フィロデンドロンの育て方|増やし方は挿し木・株分けで
フィロデンドロンは5月頃に挿し木や株分けで増やすことができます。
挿し木の際には切り口から白い樹液が出てくるので水にしばらくつけて樹液が出てこなくなったのを確認してから挿し木用の土で植えます。
根っこが出てきて安定するまでは土が乾かないように水やりを行い、明るい日陰で管理します。
またフィロデンドロンは子株もできるので株分けで増やすこともできます。
5~10月の真夏を避けた時期に子株を優しく分けて植え替えましょう。
フィロデンドロンによく起こるトラブルと対策

フィロデンドロンは丈夫で育てやすい植物ですが、成長が旺盛であるゆえに樹形が崩れやすく、また害虫被害に遭うことも。
事前に対策をしておくことでトラブルを防ぎ、実際に問題が生じても慌てることなく対処することができます。
フィロデンドロンによく起こるトラブル|害虫被害
フィロデンドロンはハダニやカイガラムシの被害に遭うことがあります。
両者とも植物の葉茎について栄養を吸い取るため、見た目が悪くなるだけでなく、植物も傷んでしまいます。
ハダニやカイガラムシは水気に弱いので、植物全体にしっかり葉水を行うことで防ぐことができます。
絶対的にリスクを下げたい場合は、植物を購入してきた際に一度全体を洗うと安心です。
洗った後にスプレータイプの薬剤を散布しておくと良いでしょう。
フィロデンドロンによく起こるトラブル|根腐れ
フィロデンドロンは蒸れに弱い植物なので、土が常に濡れている状態だと蒸れて根腐れしてしまいます。
通気性の良い土に植え替え、鉢土が乾燥してからたっぷりのお水を与えましょう。
お水やりだけでなく、空気を循環させることも重要です。
サーキュレータ等を利用して空気を動かしてあげると蒸れにくくなります。
根腐れしてしまうと葉茎が黄色や茶色になり、ドロドロの状態になります。
すぐに傷んでいる場所を取り除き、水はけのよい土に植え替えてあげましょう。
フィロデンドロンによく起こるトラブル|樹形崩れ
フィロデンドロンは成長も旺盛でどんどんとツルを伸ばして成長していきます。
気づいたときにはバランスが悪く倒れやすいということも。
定期的な剪定を行い、樹形を整えてあげることで風通しも良くなり、蒸れや害虫発生の予防にも繋がります。
フィロデンドロンは乾燥気味に風通しを良くすることでよく育つ

フィロデンドロンは650種以上もの品種があり、その葉姿もまるで異なりエキゾチックな見た目のものから可愛らしいものまで多種多様な観葉植物です。
そして乾燥に強く耐陰性があり、繁殖能力も高いので育てやすく非常に人気があります。
しかし、水のやり過ぎや日照不足といったことが原因で時には根腐れや徒長してしまうことも。
フィロデンドロンの特性を知ることで、正しい育て方を実践でき、丈夫な株に育て上げることができ、花を咲かせることも可能になります。
フィロデンドロンは前向きな花言葉を持つのでお祝いの贈り物にもピッタリ。
風水でも様々な運気が向上するとされているのでお家やオフィス、店舗などに飾ると効果が期待できるかもしれません。
お家のインテリアやギフトにフィロデンドロンはいかがでしょうか。
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